連日、株価が「暴落→反発→暴落」を繰り返していますね。
ダウが下がると翌日の日経平均が下がる、日経平均が下がると晩にダウが下がる。
こんな感じで株安の震源地すら不明になりつつある状態です。
世界中で様々なニュースが出て、それらが絡み合って経済情勢を形作っているのに、結局株式もFX相場も上がるか下がるかの二者択一に収束しますから、不安が強いと下落方向に集中してしまうのでしょうか。
ここであえて「不安が強い」と書きましたが、その表現に違和感を覚えられた方いらっしゃるでしょうか?
実際、「不安が強い」と書くと語弊がありますね。
むしろ「不透明感が強い」というべきでしょうか。
なぜなら、不安の原因が明確ならリスク回避一択になりますから「暴落後の反発(反騰)」が起きることに合理性がなくなってしまいます。
逆に不透明感が強いと、疑心暗鬼になりリスク回避に走る側と、下げる理由が不明で反発(反騰)する側に分かれます。その結果、リスク回避で暴落→反騰→再度暴落と激しい上下動が起きるわけですね。
さて、この不安感≒不透明感
この背後にあるものを心理的に言うと「予言の自己成就(自己実現)」ではないかと考えられます。
「予言の自己成就(自己実現)」とは・・・
“何らかの予想に対し、意識するかしないかに関わらずその予想を実現するような行動をとることによって、結局予想が現実になる現象”のこと(かなりいろいろ省略していますが…)
これを現在の状況に当てはめると
①:ダウが暴落する。
②:ニュースで「世界同時株安か?!」と報道される。
③:①と②を見て、「こりゃやばい」と思って(世界同時株安が事実か無関係に)リスク回避しようとする。
④:③の結果、相場から資金を引き上げる+株価が戻ったとしても「売りのチャンス」と考え空売りが増える。
⑤:結局、③と④の行動の影響で「世界同時株安」が形成されてしまう。
⑥:その後しばらくはどんな情報も「リスク回避」の理由としてしか認識されなくなってしまう。
といった感じです。
信じられないと思った方は、上記の②の部分を「株価が下げたから今が買い時!」というニュースだったらどうか考えてみてください。
ニュースで「今が買い時」と言われるのと「リスク回避」と言われるのでは、その後の行動が正反対になる可能性が高いのではないでしょうか?
実際、FXの中でも買いはゆっくり、売りは一気に動く傾向が強いといわれていますし、それは事実です。
※直接のつながりではありませんが、エリオット波動理論でも上昇は5派(5回の波)に分かれるのに対し、下落は3派(3つの波)で完結すると証明されています。
これは、やはりリスク回避を意識したときに(冷静さを欠いてでも)相場から急いで撤退しようとする人が多いという心理状態を表していると考えられます。
逆に、リスクオンの場合にゆるやかな上昇となるのは、リスクをとるという心理的負担があるため、周りの動きを見ながら入っていくという心理状態を表していると言えます。
さて、現状に話を戻しますと。。。
連日、株価が「暴落→反発→暴落」を繰り返し、それがニュースとして報道されているため、今後もリスク回避の意識がしばらくは根強く残ると考えられます。
加えて、昨日FXのニュースとして出ていた「ユーロドルが2ヶ月ぶりの安値」などの情報もリスク回避思考を加速させるものと言えます。
多くのアナリスト、ストラテジスト、報道機関などがこぞって「リスクオン」を唱えはじめるまでは、FXでも円売り・外貨買いで入るのは危険かもしれません。(短期的な上昇を取りに行くのは別ですが)
こうして考えてみると、「予言の自己成就(自己実現)」という人間心理が働く以上は、大々的であれ潜在的であれ、リスクオフ・リスクオンのどちらか一方向に向けるような報道がされた場合、それが実現する可能性が高いといわざるを得ません。
オシレーター系のテクニカル指標を使って相場判断をされている方の場合は、しばらく「売られすぎ」の状態が続いたとしても、買い時と早急に判断せず落ち着いて状況判断するのが賢明かと思います。
私が使用しているMACDもオシレーター系の役割を果たす意味合いもあるため注意したいと思います。。。