デイリーの予想では、ポンド円について「様子見かスキャルピングなど短期取引にするのが賢明」と書いた。
だが、実際のところ「下落が続くのではないか?」と内心では思っている。
11/12分のデイリー予想でも「売りで検討」と書いており、トレンドはそれほど頻繁に変わることはないからだ。
ただし、11/12~11/14まで突如、急落⇒急騰を繰り返したうえ、その値幅も200pips以上。
レンジとしては短時間過ぎるし、徐々に下がり徐々に上がるのではなく1時間足で急落、次の1時間足で値を戻すというような動きが繰り返された。
その様子を見ると完全な大荒れ相場のためポンド円について「様子見かスキャルピングなど短期取引にするのが賢明」と書いた。
では、なぜ「下落が続くのではないか?」と思うのか。
それは、ブレグジット自体が完全にネガティブニュースだからだ。
もしもブレグジットがポジティブニュースなら、そもそも英国国民投票によりブレグジットが選ばれた時点で相場は3,000pips(30円以上)もの急落はしないはずだ。
そして、実際にブレグジット関連の報道が出るたびにポンド円は下落を繰り返してきている。
つまり、どんな経緯をたどろうが、どれほどうまく交渉を進めようが、ブレグジット自体がネガティブニュースなら、ブレグジットに焦点が当たるたびにポンド円は下落する羽目になる。
しかもポンドという通貨は「ウソが下手な通貨」だ。(対してユーロは「ウソが上手い通貨」といえる。)
「ウソが下手」というのは、政策や経済情勢のポジティブ・ネガティブが市場にそのままストレートに受け止められやすいという意味だ。
ポンドの場合、ポジティブニュースは素直に上昇で反応し、ネガティブニュースは素直に下落に反応する。
それがユーロの場合、例えばイタリア・スペイン・ギリシャの債権問題など国家規模の借金問題が山積していたときでさえ、うまくごまかしながら「延命」を続けてきた。
ユーロも結局は下落したが、それはネガティブニュースが出た直後ではなくジリジリと下落した、つまり言い方は悪いが「延命措置」がうまく行っていたともいえる。
ポンドは正直、この延命措置が下手だ。
だから、ネガティブニュース=下落と反応が分かりやすい。
しかし、なぜか今週の11/12~11/14の相場だけはブレグジット関連のポジティブニュースが異様なほどポジティブ(買い)で受け止められ、ネガティブニュースが異常なほどネガティブ(売り)で受け入れられなかった。
端的に言うと、ポジティブニュースに対しては大げさに買いで反応したにも関わらず、ネガティブニュースに対してはさほど大きな売りでの反応は見られなかった。
もしかすると「146円前半まで下げたのに売りの反応は小さかったと言うのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれない。
でも、考えていただきたいのは、ブレグジット自体がネガティブニュースだということだ。
簡単に言えばブレグジットのポジティブニュースは7がけ(3割引)程度で見て、ネガティブニュースは3割増し程度で見る。これが今までの相場の流れだった。
ところが今週の数日間だけは突如、ポジティブニュースは3割増し程度で見て、ネガティブニュースは7がけ程度で見るような状況になった。
ポジティブニュースではポンド買いにつながらず、ネガティブニュースでは一段と売り増される。
その今までの流れが突如として消えてしまったのだ。
だが、本日11/15になり、再度「ネガティブニュースでは一段と売り増される」状況に戻ってしまった。
今週のポンド円の値動きの背後にある事情は分からない。
ただ、一つ確実なのは「バカの買い勢力」の存在といえる。
「バカの買い勢力」つまり、ブレグジット=ネガティブと思えず値ごろ感から買い増す勢力がかなり増えてきたということだ。
ただし「売りのロスカット狩り」を狙った買いならば一時的なもので収まる可能性が高い。
が、読みどおり「バカの買い勢力」だとすると今後も同様のことが繰り返される懸念が残る(なんせバカなのでトレンドが読めないから)
再度「ネガティブニュースでは一段と売り増される」状況に戻ったため、これまでと同様にネガティブニュースが出るたびに売り増される傾向が強まるのではないかとは予想しているものの、「バカの買い勢力」が残存する限り、下落トレンドでもかなりの値幅で急反発する可能性が否定できない。
本来、FXのやり方として「高値更新したら買い、安値更新したら売り」というのがトレンドフォローのセオリーに含まれている。しかし、現状ポンドの場合、「バカの買い勢力」のせいで安値更新して売るとありえないほど反騰してロスカットという可能性があるためトレンドチャネルを見極めて取引しないとロスカットのリスクのみ増える結果になるのではないかと危惧している。
上記を踏まえるとポンド円のボラティリティに旨みを見出すか、リスクを考え、あえてポンドは除外し他の通貨ペアでの取引に戦場を移すか熟考する必要性があると感じている。
正直なところ、今週のようなトレンドに矛盾した投資を繰り返す「バカ」にはハラワタが煮えくり返る感さえ覚えている。